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チーム・クレセント第5回公演 西村滋没後5年特別企画
『お菓子放浪記~ホンモノのお汁粉とニセモノの大福~』

今から遡ること七十六年、戦火に包まれていた時代に、
精一杯未来に向けて生き抜いた一人の孤児のおはなし
 《 原作 》 西村 滋 
 《 脚本・演出 》木島 恭
 《 Cast 》 

小宮 明日翔

いまむら 小穂

宮川 知久

井田 友和
 
矢内 佑奈

水谷 敏行

片山 美穂

春田 ゆり

門田 かおり

神谷 未来紘

山田 健太

野崎 亨類

根岸 唯
 
《 Schedule 》
ザムザ阿佐ヶ谷
令和3年6月24日(木)~28日(月)


東京都杉並区阿佐谷北2-12-21 ラピュタビル B1F 
TEL: 03-5327-7640
《 Tickets 》
■ チケット
前売開始 5/19(水)
前売・当日共4,500円 高校生以下3,500円
日時指定・自由席
(未就学児童入場不可)
ご予約はこちら http://j-stage-i.jp/crescent/

DVD販売 3,000円(送料込)
予約受付:5/19(水)~6/30(水)

※7月下旬発送予定

【ご観劇チケット・DVDご予約】【チケットに関するお問合せ】
◆J-Stage Navi http://j-stage-i.jp/
 TEL 03-5912-0840(平日11:00~18:00)

■ 配信チケット @観劇三昧LIVE
前売開始 5/19(水)11:00~
ライブ配信・アーカイブ配信共2,500円
【販売ページURL】
6/26(土)13:00公演 
https://v2.kan-geki.com/live-streaming/ticket/306
6/26(土)18:00公演 
https://v2.kan-geki.com/live-streaming/ticket/307
※6/26(土)のライブ配信は各公演30分前から視聴URLへアクセス頂けます
※ライブ配信チケットをご購入頂いた方は、アーカイブ配信期間においても何度でもご視聴頂けます
※アーカイブ配信期間6/26(土)各ライブ配信終了10分後~6/30(水)23:59
※アーカイブ配信期間にチケットをご購入頂いた方は、配信期間中は何度でもご視聴頂けます
※アーカイブ配信チケット販売締切6/30(水)21:00
 1,観劇三昧への会員登録が必要です
 2,購入完了メールのURL又は観劇三昧にログインしマイアカウントの購入履歴からご視聴頂けます


【配信に関するお問合せ】

◆観劇三昧 下北沢店

TEL 03-5738-8539
(11:00~20:00 水曜日定休)
《 公演に関するお問合せ》
チーム・クレセント お問合せフォーム
《 Staff 》
  演出・脚本:木島 恭
照明:石島 奈津子(東京舞台照明)
音響:岩下 雅夫
美術:杜江 良
舞台監督:高橋 康孝
衣裳:東宝コスチューム
小道具:高津装飾美術
宣伝美術:おかめ家 ゆうこ

  映像収録:齋藤 耕路(ユニコーン)
舞台写真:小杉 朋子
制作協力:J-Stage Navi 平田愛奈
制作:片山 美穂
企画・製作:チーム・クレセント
《 協力 》
アイティ企画
ALBA
オフィスマトバ
ケィ☆サイド
劇団民藝

SASP
テアトルアカデミープロダクション
Pカンパニー
プロダクション・タンク
プロダクション東京ドラマハウス
大声で怒鳴る、ということ   映画監督・山田洋次

 西村滋さんの人間を見る眼はじつに鋭く、かつ優しいから、『お菓子放浪記』に登場するさまざまな人間像は、まるで眼の前に浮かぶように魅力的で存在感に溢れている。美しい富永先生、渋い人情家の遠山刑事、格好いい千吉、口うるさいフサノばあさん、etc、etc。
その中でぼくがひときわ興味を持つのは、報徳学院の日比野指導員、少年たちに「ホワイトサタン」のあだ名で忌み嫌われている嫌な男である。
彼の特徴は、色黒でゲジゲジ眉毛といった悪者の姿ではなくて、その反対の美貌で優男と云うところにある。この色白の優男は声が大きくて、ふた言めには国家のため、天皇陛下の御為にと叫ぶ超国家主義者である。『お菓子と娘』の歌を教える富永先生に「敵性国の歌は止めてもらいます!」と怒鳴り、真珠湾攻撃の話をしながら涙をこぼし、反抗する生徒をサディスティックに殴りながら自分で興奮する、と云った精神のバランスを欠いた異常者だが、じつはこの手の男が軍国主義の時代には沢山いた、というよりこういった連中が大手をふるって歩いていたのが戦時下だった、ということをぼくはこの本を読みながら思い出す。
 このホワイトサタンのタイプの人間が近頃ぼくたちの国に再びうごめき始めているような気がする。真面目な人たちが穏やかな声で語るところへ大きな声で間違った乱暴な論理を怒鳴り立てるとみんな黙ってしまう、と云うような現象がさまざまな社会で見られないだろうか。たとえば、ヘイトスピーチをがなり立てる人たちの数はごく少数なのだけれど、静かに語るその何十倍何百倍の人々の声を圧倒してしまう、と云うような現象。ホワイトサタンの上司である主任の渡邊先生は、多分穏やかないい人なのだろうが「日比野君にも困ったもんだ、私が口を出しても非国民扱いだからねえ」とぼやくしかない。じつは僕自身を含めてこれが今日の善良な市民たちの姿なのではないか。
 西村滋さんは、名作『お菓子放浪記』を通してそんなことでいいのか、国家とか国益とか国力とか愛国と云う単語を大声で怒鳴る人をあまり信用してはいけないのだ、ということを今の暴力的圧政的な政治のあり方を予見しつつ訴えた、いや今も懸命に訴えているような気がしてならない。この作品の舞台化は、そこにこそ意義があるはずだ。


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